対馬旅 6月30日 こんなこともあろうかと

 
#元来た道が新しい
 
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夜はちょっっと寒かったなぁー。
メッシュジャケットの上からトレーナー、さらにカッパ、それでも冷えるのだ。
最低限テントは持ってきたが、寝袋は軽量化のため諦めてきたんだよ。

…しかし!
こんなこともあろうかと!

深夜にザックから取り出したのは、100円均一で買っておいたバイクカバー。
100均だけにペラペラだが、ちゃんと稲荷ずし的な形状をしているので、全身をスッポリと覆うことができる。
雨風を一応は防ぐ用途なので、機密性、保温性もそこそこある。
実はアウトドアグッズでよくある緊急用の銀色のシートを探して無かったからやむなくこれにしたのだが、
これはでも結構使えるぞ。我ながらナイスアイデアだ。
ペラペラだけに畳むとコンパクトだし。言うことナシ!

100均カバーのおかげで風邪もひかずにすんだことだし、さて今日も行きますか。
 
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対馬で非常によく見かける、珍しい構造の古い納屋。
必ずこうやって何本かの天地を貫通する太い柱で床を浮かせてある。
ネズミ対策か、湿気対策か。
詳しくはわからないが、とにかくこの土地の環境に適した造りなのだろう。

6月の対馬にはなぜかホットの自販機がそこそこ生き残っており、個人的にとても嬉しい。
で、歩く途中で自販機を求めてフラッと休憩した場所が、どうやら工務店の前。
朝のホットコーヒーを飲んでいる途中、工務店のクルマの出動とかぶってしまった。
座る位置を変えようとすると、「あーいいよいいよ!」と。
なんだか明るい人だな。

「これから仕事で比田勝まで行くから。乗っていかんね?」

比田勝って俺がやって来た方向じゃないか。乗っていきませんよ。
でも、ありがとう。
人から元気をもらうことって、たしかにあるよな。
 
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全然話は変わるのだが。
対馬の山の中を歩いているとやたらとよく見かけるコレは一体なんだろう。

材質は木がほとんどだが、時々コンクリとか金属っぽいものもある。
だがスタイルはみんな一緒。
縦長の筒状で、上に何かフタのような板を乗せ、下には入り口のような穴がある。
 
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これは木をそのままくりぬいたバージョン。

山の神を祀る祠(ほこら)?それとも何か実用的なモノだろうか。
たとえば蜂か何かを飼っているとか。

いっそのこと、あのフタを開けて中を見てみたい衝動に駆られる。
でもコレがもしもご神体などの聖なる物体だったらと思うと手が出せない。
機会があれば誰かに聞いてみよう。
 
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仁井の町から国道を南下すること数キロ。
分岐点が現れた。

実はこの交差点、対馬に来た初日に通ったところだ。
あの時は南から来て、対馬東岸の地方道に行くべく39号線の方向へ歩いていったのだ。
あれからもう4日か。
とりあえず8の字の上側、上島一周は完了ってとこだな。

これからしばらくは、以前も歩いた同じ道の重複区間を進み、今度は下島一周にかかることになる。
足の痛みはあいかわらずだが、今日中に下島ぐらいには行けるでしょ。
 
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6月の対馬は紫陽花でいっぱいだ。
後に対馬の道のりを想い出す時、浮かんでくるのは坂とトンネルと紫陽花だろうなと思う。

なぜ俺は今、こんなことをしているのか。
それは、何か飢えているもの、満たされないものがあるからだろう。
たぶん、いやきっとそうだ。

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アルティメットホイール、さすがに少し慣れてきたわ。
乗った時の航続距離が伸びている。でもまだザックを背負って1キロは走れない。
太モモの負荷にはだいぶ耐えられるようになったが、なぜだかやっぱり息が上がるんだよ。

あとは、スネをタイヤの摩擦から守る自作のパッド。これがあまりよろしくない。
職人用の脚絆(きゃはん)というのをベースにしてさらにサポーターなどを何重かに巻いているのだが、
長く乗っているとこれがだんだんズレてくるのだ。
それも不思議なことに、片脚はズリ上がり、片脚はズリ下がる。
こいつはまだまだ研究・開発が必要だな。

ちなみに今回の旅では、俺はいつもの長ズボンではなく短パンを履いている。
なぜかというと、長ズボンだとタイヤの摩擦でどんどんズボンの裾がネジれてくるからなのだ。
少しのネジレなら逆に回して直せばいいが、ずっと乗っているともう、下半身がボルト状態になってしまう。
こんな異様な現象で悩んでいる大人はそうはおるまい。
タイヤにこすらずにすむような完璧なバランスで乗れればいいだけの話なんだけどね。
 
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対馬でよく見かけるもの。今度は木。
この木というか、特徴のある葉っぱはとてもよく目にする。
初日の頃はそうでもなかったが、ここ数日でチラホラ花が咲くようになってきた。
淡いピンク色の糸のような花。
対馬特有の木なんだろうか?と思っていたら、これは違った。

この植物は、合歓(ねむ)の木。
名前はなんとなく知ってたけどこれが合歓の木なんだなぁ。
いやー勉強になった。

このあたりで疲れて昼寝。
なんだかとてもいい夢を見ていたような気がする。
 
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はい、対馬の上下を分けることで有名な万関橋。2回目!

このアングルなんかまさに火サスの人形が落ちるシーンで使われそうだよな。
ヤバい、この橋を見るたびに美人女医の秘められた殺意について考えるようになりつつある。

そしてここでついに、韓国人観光客に遭遇。
見た目じゃ判断しにくいが、海外旅行でテンションが高いのか、大声で話しているのでわかった。
年配者の団体や若い女性の2人組などがいたものの、
彼らは観光名所の橋を少し歩いてまたすぐクルマに乗って移動してしまうようだ。
残念、これでは話をするようなタイミングがない。

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大船越のあたりでおもむろに雨。
ここは北上する時、修行さんが持たせてくれた弁当を食べたあたりだ。
基本的に同じ道を通るのが嫌いな俺だが、
通る方向が違うのと4日ぶりなのと、さらに雨まで降ってきたので、わりと飽きもせずに進めている。

上島を一周し、また同じ道を戻っているところでふと思うが、対馬ってほんとにコンビニがないよなぁ。
島の規模は沖縄本島や淡路島並みに大きいのに、日本のストアの代名詞たるコンビニがない。
でも、コンビニがないとさぞかし不便だろうなと思っていたが、実はそうでもない。
ないならないで、それに合わせるだけなのだ。携帯の電波も同じことか。

初めからなければ気にならない。でもあったものがなくなると思うとストレスになる。
人が快適に生きるためには、一体どうすればいいのかな。
 
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鶏知。
なんて読むか覚えているか。ケチです。
なつかしの鶏知に帰ってきたよー。

空港のすぐ近くにあるこのエリアのなんといっても素晴らしいところは、
スーパー、ホームセンター、ドラッグストア、100均の店がすべて一箇所に固まっているところ。
驚・異・的!!
おそらく対馬全体でもこのような場所はここしかないのではないか。

スーパーでヨーグルトと魚肉ソーセージ(ちょっとハマった)を買う。
よし、マトモな食料だ。
これでこれからの下島の旅も多少マトモになるだろう。

今日は日曜日。
対馬屈指のショッピングエリアには人とクルマが大量に押し寄せている。
飛び交う対馬弁。笑う大人たち。泣きわめく子どもたち。
俺はといえば、ここにきて足の疲れがピークだ。
買い物を終えてもう特に用事はないのに、動けない。
うーん、たぶんここまで戻ってきたことで、気が緩んだな。

まぁこれといって急ぐ理由もないので、気が済むまで休憩してから行くとしようか。