直すクロスカブ
最近はいい天気が続いてるな。
大豆畑もだんだん色づいてきて朝陽に映える。
朝晩はかーなーり冷えるけど。昨夜の未明なんざ3度という表示を見てしまったぞ。
まぁ俺は多少寒かろうとなんら問題なくバイク通勤なわけだが。
問題といえば、クロスカブのカラカラ音である。
そう、お盆の頃にうっかりオイルを抜いた状態でしばらく走ってしまったあの事件の後遺症だ。
一応マトモに走りはするのだが、エンジンに異音があるというのはやはり気分のいいものではない。
いい加減、修理してみるかー。
ちょうど先日、思いがけずハスラー50がやって来たこともあり、修理中でもバイク通勤できるしな。
絶妙のタイミングに感謝だ。
…というわけで、おもむろに修理を始めることにしたのだが。
エンジンを見るためには、まずはカブの証たる足元のレッグガードを外さないといけない。
が、それがいきなり取れない。
レッグガードを留めているプラスネジが異様に固いのだ。
話には聞いていたが、これが中華トルクか!
中国製のバイクは往々にしてこのように凄まじいトルクで締まっているネジがあるという。
だがまさかこれほどとは思わなかった。
よもや秘蔵のショックドライバーが敗北することがあろうとは。
中国4000年の気功で締めてるんじゃないだろうな!!
賢明なワタクシはこのネジ群を強敵と認めて普通に緩めるのは早々に諦め、
裏技的にタガネでシバくなどしたが、それでも全てを緩めることはできなかった。
おいおい、エンジンを見る前からいきなり挫折かよ!
しかしフフ…、そんなことで計画を断念する俺ではない。
さっそく大きめのホームセンターに赴き、固いネジを緩めることに特化したアイテムをいくつか買ってくる。
ネジザウルスをうっかり2本も買ってしまったりちょっと関係ないモノも混ざっていたりするが気にするな。
レベルアップした武器を手に再挑戦!そして開いた!
…というのはウソだ!!
新型アイテムでもどうしても緩まないネジに辟易していた頃、
同僚がどこからか持って来た電動インパクトドライバーを半信半疑で使ってみたら、
あ っ さ り と 緩 ん だ !
それはもうね、シュルルーン、シュルルルーンとね。
えええええ、電動インパクトってそんなに凄いの!?お兄さん全然知らなかったよ!!
その日の夜にはネット通販でインパクトを注文したのは言うまでもない。
とまあしょっぱなから色々あったが、ようやく現れたエンジン。
まずは異音の原因として一番疑わしかったヘッド部のタペットクリアランスを調べる。
が、これは問題なし。
タペットぐらいなら修理も簡単でありがたかったのだが…。
しょうがない、修理はより踏み込んだ領域に突入しそうである。
エンジンの右側クランクケースカバーを開ける。
一時的にオイルが無くなっていたわけだから鉄粉などバリバリ出ているのかと思ったが、意外と綺麗なもの。
最も壊れていて欲しくなかったクランクシャフトのベアリングも(たぶん)無事のようでホッとする。
故障箇所で次に疑わしい、というかここなら簡単でいいなぁ、と願っていたのはオイルポンプ。
手に持っているヤツだ。
しかしこいつも正直壊れてないっぽい。
でもこれは安い部品だし、一応新品に換えておこう。
タペットでもクランクシャフトでもオイルポンプでもないとしたら…。
やっぱり腰上かな…ハァ…。
はい、左シリンダーヘッド、右シリンダー。
素人目で見ると異常は認められない。あくまで素人目で。
やれやれ、こういうディープな修理は10年前ぐらいで足を洗ったハズなんだがなぁ。
理由はもちろん、面倒だからだ。
でも近所でバイクを安心して任せられる馴染みのバイク屋なんてないし、
そもそもオイルを入れ忘れて走っちゃいましたテヘッ。なんて紳士としてなかなか言えるものではない。
そうなると、これぐらいは自分でやらないとねぇ。
さて、ヘッドとシリンダーに異常はなかったが。
おぉ、このピストンは…!?
ピストンのスカート部(っていうのか?)が結構な感じで削れているのがわかる。
まだ3000キロのエンジンだ。これはオイル事件の影響と見て間違いないだろう。
こりゃピストンごと交換だな。
表もカーボンが堆積してなかなか汚いしな。
それにしてもまだ3000キロなんだが。
よし、とりあえず第一弾の交換箇所は、オイルポンプとピストン一式だ。
これで異音が直らなければ、修理はより深淵かつ厄介なステージに進出してしまう。
どーかこれぐらいで直りますよーに。
いやそもそも元通りに組み込めるかどうかもちょっと怪しいけどね。
大丈夫なのかクロスカブ!
あと床にオイルこぼしてるけどウチの玄関だからいいんだよ!
じゃあな!!