6月6日 字幕野郎

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起きる。不調。
うお、まだダメか。しかも軽い下痢。
なぜだ、なぜ治らん。
 
そういえば今日は取材があるんだった。
たしか朝のうちに来ると言っていたはず。
ああ、来た。
 
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テレビ取材のためにフィル宅までわざわざやって来てくれたのは、意外にも若い女性。
WTVMというジョージアの地方局らしい。
 そんなことよりたった一人で撮影とインタビューを全部こなしてしまう彼女はサラちゃん。
韓国人でたぶん24歳。
おそろしく英語がうまい。
もしアメリカ生まれでないとしたら、相当な努力の末に身につけた英語力なのだろう。
そのうえテレビ局のレポーターにまでなってしまうんだから大したものだ。
 
撮影のほうは、いつもと同じく一輪車で適当に走り回り、インタビューを受けて終わり。
今回は時間をかけてじっくりと話を聞いてくれたし、
込み入った内容はフィルが代わりに話してくれるので実にやりやすい。
 
ところでサラちゃん、オシャレで可愛く頭も良さそう。
一方で、この家の犬にまとわりつかれて一瞬結構本気でイヤそうな顔をしておられた。
おおっ。
これは俺の特殊能力というわけでもないと思うが、
日本人女性と韓国人女性は3秒ぐらい眺めれば大体判別できる気がする。
喋らずとも、見た目の雰囲気や仕草が結構違うんだよな。
韓国女性のほうは何かこう、厳しさが伝わってくる。日本人のようなポヨーンとした呑気さがない。
良い悪いではなく育った環境が違うんだろうなぁとしみじみ思うよ。
ちなみに男のほうは正直よくわからん。
 
 
書いてくれたのもやっぱりサラちゃんであろう。
当初は観られた動画はもうなくなっているようだ。
 
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昼飯に、ごはんと味噌汁、そして焼き鮭!を出してくれるサチコさん。
うおお、焼き鮭!!
たぶんとっておきの鮭を出してきてくれたのだろう。感激。
このようなメニューこそ和食と言わずになんと言おうか。
非の打ちどころなくうまい。
やはり日本食の基本は焼き鮭に限るな。
キャットフィッ…いやなんでもない。
 
さて午後は、フィルがどうしても連れて行きたいところがあるというので一緒にクルマで移動だ。
 
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それはここ。
コロンバスにある大きな自転車屋、The BIKE SHOP 。
なんというか、そのまんまの名前である。
フィルはこの店の常連らしい。
 
彼は俺の36インチユニに画期的な改良を施したいと言うのだ。
それはなんと、タイヤのチューブレス化。
軽量化とパンクのリスク低減のためにきっと役に立つ!と主張してくれるのだが。
うーん、もうフロリダまでそんなに遠くないしなぁ。
今までどおりのスペアチューブ交換作戦で何とかなると思うんだが。
 
それでもとりあえず店内に入る。
気さくな店長さんが俺のデカい一輪車を見てひとしきり驚いたあと、
 
「どこか調子が悪いところはないか?」
 
と聞いてくれるので、
 
「うーん、特にないと思うけど。
 あ、そういえば、スポークがちょっと緩んでるかも?」
 
そして店長はおもむろにユニのスポークをグニッと掴み…。
無言で首を左右に振り…。(あ、今思いっきり呆れてる?呆れてるよね?)
そして問答無用で修理されることとなった。
 
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おおープロの仕事場は常にカッコいい!
自転車用のメンテナンス台にすっぽりとハマる36インチユニがまたシブいぜ。
 
いやぁ、助かったね。
実はこの一輪車、買ってからほとんどすぐにアメリカに持ってきたもので、
今までロクにメンテナンスしてないんだよな。ハハッ。
こうして旅の途中でプロに診てもらえるのはかなりありがたい。
 
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修理中、なぜかいろんな携帯食料をドバドバとくれる店長。
エナジーバーとかゼリーみたいなもの。試供品か何かなんだろうか。
これは軽いし旅に役立ちそうなのでありがたくいただいておくが、ちょっとこれ量が多いわ!
そしてそんな気前の良すぎる店長、俺の耳元でしきりにささやく。
 
「チューブレス化…、やってみないか?」
 
「えーーー、でも、お高いんでしょう?」
 
「いや、タダでいいよ。」
 
「………。(断る理由が思いつかない)」
 
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というわけで、流れでチューブレス化が始まってしまった。
率直に言って個人的にはどっちでもいいんだが、ここまで勧められたらやっても損はあるまい。
ちなみに店長は右端のサングラス坊主の人だ。
 
このチューブレス化、リムとタイヤの間に特殊なシーリング剤を塗って固める、というような方式らしい。
オートバイなんかでも割とよくあるタイプだな。
しかし、どうも作業が難航しているようである。
熟練の整備士たちが、ああでもないこうでもないと試行錯誤を続け、
最終的には「ムリ。」という結果になってしまった。
36インチのリムが大きすぎてタイヤとリムの間をうまく密閉できなかったらしい。
いやいや、残念残念。
俺はスポークを調整してもらっただけで十分だけどねー。
 
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そして、お馴染みの試乗会。
自転車のプロがすぐには乗れない物体を俺のような庶民がピョッと乗れてしまうというこの優越感!
さもしい人品ですねフフフ。
 
とにかくこの店にはお世話になってしまった。
どうもありがとう!
宣伝にもならないけどもう1回紹介しとくよ。
 
 
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帰り道。
 
交通事故現場に遭遇。気をつけましょう。
不謹慎ながらちょっとカッコいいパトカーだな。
車種はもちろんわからない。
 
フィルは直行で家に帰るかと思っていたら、途中でとある会社に寄る。
どうやら知り合いがやっている会社のようだが、彼がここに立ち寄った理由は、
 
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ちょうどニュースの時間だったからだ。
 
今朝撮って夕方にはもう放送とは仕事が早い。やるなサラちゃん。
 
 
フィルは自分がテレビに出演して大変喜んでいるようなのでそこはよかった。
まぁそうだよな。一般庶民はテレビに写ると嬉しいものだ。
 
しかし英語を喋っているつもりなのに自分のとこだけ英語字幕を付けられた俺は、
打ちのめされてそれどころではないのだった。
自分の英語ほど聞きたくないものもそうないな。
これならアイスランド語字幕の時のほうがまだ意味がわからないだけよかった。
恥の多い人生だねぇ。慣れてきたけど。
 
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帰りは雨。
この時期のジョージアはいつ降ってもおかしくないそうだ。
クルマだと濡れないから今日はいくら降ってもかまわんよ。
 
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半分ぐらい造成中の新興住宅地になぜか寄り道。
実はここ、フィルの会社が造成しているという町。大したものである。
 
住宅地内を交差するストリートにフィル一家の名前を入れていたりするのがおもしろい。
私道の名前は作った人が自由に決めていいんだそうだが、
そんな道の名前がグーグルマップにもちゃんと載っていた。
 
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今夜はスパゲティである。
これも申し分なくうまい。ありがとうサチコさん。
隣の家から孫がやって来て普通にスパゲティを食べているところがいかにも大家族らしい。
 
結局今日は一日すっかり遊んでしまった。
体調はもうじき治りそうなのに今一歩ダメという感じでもどかしい。
明日にはスッキリしているといいのだが。