ハンドボールじゃないか

ハンドボールってあるじゃないか。

高校の部活とかにあった、7人ぐらいでボールを投げるスポーツな。

でも、アメリカでハンドボールって言うと、なんとそれじゃないんだよ。

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これがハンドボール。マジで。
小さなゴムボールを素手で打ち合うの。マジで。

ルールは簡単に言うと、正面の壁に当ててワンバウンド以内で跳ね返す。
場所は野外にあるこういう壁でもいいし、

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これはテニスの壁打ちでちょっとパンツも見えているが、こういう4面を囲まれた壁でもプレイできる。

この場合はスカッシュに近いと言えるか。

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ところで、テニスプレイヤーたる俺がなんでこんなことをしているのかと言うと。
テニスの練習をしに来たのに、一人でハンドボールの壁打ちをしていたこの兄ちゃんが、

「Hey, hand ball?  ........  hand ball? ................  hand ball??」

と、やたら熱心に誘ってくるので、まあたまにはいいかとテニスを諦めてハンドボールに挑戦してみたのだよ。

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ちなみにこの右側の人がやっているのは、ラケットボールという競技。
ハッキリ言ってハンドボールと一緒。この専用の小さめのラケットがあるかないかの違い。
これこそ非常にスカッシュに似てはいるが、何かが微妙に違うらしい。

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で、ハンドボールに話が戻るが、これ、いざやってみると、ものっっっすごく難しいのよ。

素手でテニスボールよりも小さいゴムボールを全力で打つのがまず難しい。
手に当てるだけならともかく、威力を出そうとすると空振り・暴投なんでもこい。
このジーノという気のいいBボーイが懇切丁寧に打ち方を教えてくれるのでそのうちなんとなく当たるようにはなってきたが、とてもゲームができるような状況ではない。

しかも、しかもだ、手がとても痛い!
これはもう5、6発打ったら気持ちがめげそうになるぐらい痛い。
思わずジーノに、

「なんでラケットを持ってやらないんだ?痛いだろ」

と聞くと、

「え?手で打ったほうが面白いじゃん。ほら」

と言い、やたら分厚くガッシリとした、傷だらけの手の平を見せてくれるのだった。

きしめんのように薄い俺の手の平でやるスポーツではないな…。

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というわけで、途中から潔くテニスラケットを持って参戦。

やはり面がデカいテニスラケットは空振りしないから最高だ。
これで勝てる!
…と思ったがそう甘くはなかった。
ハンドボールはハンドボールで色々と勝手が違うんだよ。

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例えばこれ。
テニスと違ってこんな風に相手と超接近して位置が交錯するので、やりにくいったらない。
妨害されても相手の身体に触れずにうまーく打ち返す必要があるっぽいが、これはテニスとはまったく違うスキルが求められるな。

さらには、ジーノが上手い。
実は彼、最近ニューヨークからやって来たエキスパートプレイヤーで、むこうではトーナメントにも参加していたそうだ。


参考動画。
ジーノは出てないけど、彼はこういう雰囲気の中でやってきたらしい。
そりゃまあ上手いわな。

そして、この美しいとは言えないニューヨークのストリート。
貧しい環境の中、ゴムボールと壁だけで遊んできたBボーイたちにこのスポーツの原点を見る思いがする。
ラケットなんて持ってちゃダサいという感覚、ちょっとわかるかもな。

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とまぁそんな感じだったが、なかなか楽しめたよ。
スリッパは壊れるし裸足でやってたら足の裏が擦りむけて痛くなったけど。

しかし、こっちの人はなんでみんなすぐ脱ぎたがるのだろう。
いちおう冬だよ、冬。
2月!