テニス外交2017総括


俺は何も悪いことをしていないのに2017年もそろそろ終わるらしい。

今年は赤子が出現したこともあって趣味のテニスなんざ金輪際できないものと思っていたが、ありがたいことに時間を作っては外に出させてもらっている。
アメリカ在住の割に外国にいる気配が薄いことで有名な俺の生活の中にあって、テニスだけは珍しく多少とも国際感が出てくるものなので、参考までに最近のテニス仲間の一覧でも見てもらうとしよう。

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ヤシール

謎のパキスタン人エンジニア。
家が近くて自分のコミュニティ内にテニスコートを持っている関係で、なんだかんだで今年一番よく打った相手。
プレースタイルはパワフルな速球派だが、とにかく思い切り打ちたい意識が強すぎてミスが多い。
ついでにケガも多くて今年は肘だの膝だのにサポーターを付けっぱなしであった。
そんなわけで、彼に勝ちたい時は、ただ普通にそつなく返していればそれでいいのである。
自前のコートがあるのにいつまでたってもサーブが上達しないのが不思議でならない。

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スティーブン

見るからに運動不足な謎のジャマイカ人自営業者。
彼は俺がテニスをやり始めた初期に何度か打った相手でそれ以降はずっと音沙汰がなかったのに、最近になっておもむろにまた連絡をよこしてきた。
当時はお互いに超下手で、サーブを打つ方がサーブをしくじって負けるという悲惨なレベルであったが、ひさしぶりに会ってみると、ロクにテニスをしていなかったという彼とは実力に結構な差がついてしまっていた。
今やゲーム中でも勝ち負けは気にせず自分の課題に集中し、それでもいつのまにか勝ってしまう。
やはり1年の差は大きい。

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ホセ

陽気なドミニカ人の兄ちゃん。
30代と若く、テニス経験者なので俺よりだいぶ強い。
彼とはフルパワーでバッコバコ打ち合えるので非常に熱く楽しいテニスができる。
彼にはスピードとパワーを活かしたテニスというのを教わったなあ。

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ジム

ちょっと遠くまでドライブして一回だけ打った相手。
国籍は聞いたような気もするが忘れたので暫定的に火星人ということにしておく。

ところで、テニスにはNTRP値という、実力の目安となる数値がある。
本来は専門の判定員に判断してもらうものなのだが、大体は自己申告で通っている。
数値には1.0から7.0まであって、趣味レベルでは大体4.0以上になると上級者ということになる。
このジムは自己申告で4.0だったのでこいつは強いだろうと思って気合いを入れていったのだが、実際には思ったほどではなかった。
前述のホセも4.0で激強だったから、自称4.0と言ってもいろんなプレイヤーがいるんだなあと思った次第。
ちなみに俺はずっと3.0で通してきたが、複数のプレイヤーに3.5にしたほうがいいよと言われて最近は3.5と申告するようにしている。

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カルロス

謎のエクアドル人。
NTRP値4.0、地元では大会で優勝したこともあるという、小太りなのに強いテクニシャン。
体重の重いテニスプレイヤーにありがちな膝の故障を抱えていてあまり動かないが、ショットは正確かつキレがよく、彼にはまだ勝てない。
俺の得意なスライスを倍返しのスライスで返してくる技には非常に悩まされたと同時に、俺もマネしようと誓った。
膝に優しいクレーコートが好き。
3歳ぐらいの娘が異常に可愛い。

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オマール

テニス歴は俺と同じく2年ほどの、俺より一回り年上のドミニカ人。
トッププロ(ニック・キリオス、ジャック・ソック)のフォームを研究したというサーブは見た目が本当にキリオスそっくりで、スピードもキリオスばりに速い。
年上なのに体力と向上心が強く、元々パワーがある上に球出しマシンまで買って一人で熱心にテクを磨いている、知的で熱い男。
今のところ戦績は五分五分で、毎回勝ったり負けたりと白熱した戦いになる。
しかし正直なところ、パワーでも技術でも彼には負けてる気がするので、なんで俺が勝つことがあるのか自分でもよくわからない。

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マニーシュ

我が宿敵と勝手に設定している謎のインド人。
テニスを初めて最初に知り合ったテニス仲間だが、今にして思えばホームランを連発するぐらいヘタだったあの頃の俺によくもまあ何度も付き合ってくれたものだ。
最近は仕事を2つかけもちして忙しいらしく前ほど打つ機会がないが、たまに会うとやっぱり負ける。
今年中に勝つ気でいたのに残念ながらまだ差があるようだ。
しかし、確実に差は縮まっているはず。

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ジョーダン

番外編。
この人、なんとプロの選手。
プロといってもゴルフで言うレッスンプロみたいなもので最近は試合に出ていないそうだが、それでも団体に登録しているれっきとしたプロ。
俺がサーブ練習をしている隣のコートでジュニアのレッスンをしていたのに、なぜか俺のサーブにまでアドバイスをくれた挙句、レッスン終了後にはちょっと打ってくれたスーパーナイスガイ。
基本的に人に教わらずに自分で上達することに楽しみを見出している俺だが、彼のレクチャーは非常にわかりやすく、的を得ていて役に立ったと言わざるをえない。
そして、実際に受けたプロのサーブのエゲツナイことと言ったらなかった。
でも不思議と慣れれば当てるぐらいはできるんだよな。

「プロの世界は本当に本当に厳しいんだ。信じられないぐらい強いヤツらがいっぱいいるんだよ」

そう聞かされて、トッププロのレベルの高さを垣間見る思いがした。

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そんなことを思っていたら、今朝また偶然遭遇して、今度はキックサーブのコツを教わってしまった。
なんとか自力で開眼したかったが、教え方のうまい人に教わると一気に進歩してしまうのはやっぱり認めざるをえない。
今度何か教わったらそろそろレッスン料を払わんといかんような気がする。

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見知らぬ13歳の少年(奥側)

番外編その2。
ヤシールと打ってたら、「一緒に練習させてください」といって入ってきた殊勝な近所の子。
可哀そうなことにテニス仲間がいないというので、ヤシールが帰った後にもしばらく付き合う。
この子は13歳でテニスは初心者レベルなのだが、そこそこボールを返してくるので驚く。
俺が初心者の頃はここまで返せなかったなあ。
これならちょっと強く打っても大丈夫かな?と思って打つと、やはり器用に当ててくるではないか。
毎回相手がいるところに打ってあげているとはいえ、こうも当てられるとなんだか自信がなくなってくる。
いわく、

「俺の球って、そんなに遅いんだろうか…?」

という点についてだ。
そりゃあ俺のショットやサーブが速いと思ったことなど一度もないが、それにしても13歳のビギナー少年にポンポン拾われるほどとは思わなかった。
これだと13歳のジュニア選手などにはもう手も足も出ないだろう。
それもなんだか悔しいので、ショットのスピードアップという新しい課題ができた瞬間である。


エドガー ”マッチョ” ディアス

番外編その3。動画で白いTシャツを着ているほう。
いつもの場所で黙々と壁打ちをしていたら、おもむろに声をかけてきてハンドボールのゲームを申し込んできたプエルトリコ人。
前にもそんな兄ちゃんいたなあと思ったが、このマッチョに至ってはなんとハンドボール界のプロ選手。
ハンドボールワールドリーグではプエルトリコチームのキャプテンを務めたこともあるらしい。
前と同じく相手は素手、俺はテニスラケットでハンドボールをしたところ、余裕で負けた。
ハンドボールはやっぱり相手がジャマでやりづらい。

日本にコーチとして来てくれるよう3度も誘われたのに結局行けなかったことを非常に後悔していると語っていたが、日本でこっちのハンドボール(紛らわしい時はウォールボールと言うらしい)をしてる人なんて何人いるんだろうか。少々眉唾である。
ちなみにハンドボールでトッププロになって世界を転戦しても、テニスのように稼げるわけではないようなので別に誰にもお勧めできない。
ついでに欧米人にしてはさほどムキムキでもないのになんで「マッチョ」なのかと言うと、きょうだいの中で唯一の男だから婆ちゃんが喜んでマッチョ(男)と呼んだのが最初だそうな。


まあこんな感じで健康管理と称して日々テニスに励んでおります。
研究のためにこうして毎回動画を撮っているのだが、ひさびさにチェックすると数か月前のものでも驚くほどヘタなので、自分も少しずつは進歩しているのだなあとしみじみ感じられるのもちょっとした利点。
俺も来年には自称4.0になれるだろうか。
ほなまた。