飛鳥19歳 その2
眠い。
ここ最近の寝不足が効いてる。
で、結局、昼の部はやめて、
川べりのベンチで寝ていた。
夕方目が覚めたら、
小雨が降ってて俺がシットリとしていた。
…せっかく…乾いたのにな…。
長崎からの道中が好天だったのはよかったが、
これからTシャツ広げようって時に雨とは。
まあ、今まで通りだ。
場所を選べばなんとかなるだろう。
再び天神エリアにやって来た。
まだ明るくて人はあいかわらずたくさんいるが、
Tシャツを広げるには少し早い。
やっぱ夜8時ぐらいからが本番だぜ。
さて、ここで話は変わるが、
最近は一部のマクドナルドで携帯の充電をさせてくれることを知っているか。
熊本でこの事実に気づいて以来、
俄然マクド派と化している俺である。
これまでファーストフードなんかまったく興味なかったのにな!
ちなみに今も天神のマクドでコレを書いているわけだ。
そんなわけで、
いい時間になるまでマクドで充電待機をしようと思って前まで来たら、
飛鳥さんから、
用事が済んだがTシャツやってますか、
というメールが来た。
手早く事情を説明すると、
彼女はわざわざ俺がいる場所までやって来てくれて、
そのままマクドでの充電&待機に少し付き合ってもらうことになった。
…が。
彼女は、絵が好きなのだ。
マクドのトレーの上に宣伝の紙が1枚敷いてあるが、
彼女はその裏の白紙を使って、
俺に記念の絵を描いてくれた。
俺も従来どおりの謎イラストを描いてお返しに進呈。
そのとき俺は思った。
彼女の絵は独特でおもしろい。
どうせなら、Tシャツに何か描いてくれないだろうか。
彼女も俺のTシャツに興味はあるらしいが開店の時間までは居られないようだし、
これならついでに見せることもできる。
そう提案すると、
ありがたいことに彼女は話に乗ってくれた。
小雨の中を2人でバイクまで戻り、
手近にあった微妙に雨のかからない超狭い怪しい場所で、
飛鳥さんに俺のTシャツを見てもらう。
彼女は、意外なほど熱心に、
1枚1枚、俺のTシャツを眺める。
時折、これはキープ、と言ってTシャツを脇に置く。
何をキープしているのかと不思議に思っていたら、
なんと彼女は、
俺のTシャツを買ってくれるつもりなのだった。
ちょっと考えればわかりそうなもんだが、
その時の俺には、彼女にTシャツを売るという発想がまるでなかった。
大体、知り合いには売らないというのが今回の鉄の掟だ。
だが…彼女は、今の俺にとってどういう立場の人なんだろう…。
俺が自慢の超脳に過労までさせて考えている間に、
飛鳥さんは2枚のTシャツを選び、
「この2枚をください!」
そう言ってきた。
…2枚もかよ!!
うわああどうしよう。
ええいこれはもう特例だ!
何より俺は今、
飛鳥さんの元にこの2枚を渡したいと思うのだから、
しょうがないだろうが!
2枚で4000円。
彼女にならこの値段で充分だと直感した。
1枚目は東京の代々木公園で描いた。
机の隅に、写真じゃわからないくらい小さく、
「スキだ」
と書いてある。
2枚目は、高知で描き始めて松山の道後温泉で仕上げた。
描くのに時間はかかったが、ただの樹だ。
樹の下に何か気の利いたキャラクターでも描こうと思っていたのだが、
何も浮かばないので描かなかった。
そんな地味な絵を、
それがいいんだと言って彼女は選んでくれた。
この時の俺の嬉しさが、
果たしてわかってもらえるだろうか。
まさか、飛鳥さんがこの2枚を買ってくれる人になるなんてな…。
おっと、ここで思考停止に陥っている場合じゃないんだった!
ここ最近の寝不足が効いてる。
で、結局、昼の部はやめて、
川べりのベンチで寝ていた。
夕方目が覚めたら、
小雨が降ってて俺がシットリとしていた。
…せっかく…乾いたのにな…。
長崎からの道中が好天だったのはよかったが、
これからTシャツ広げようって時に雨とは。
まあ、今まで通りだ。
場所を選べばなんとかなるだろう。
再び天神エリアにやって来た。
まだ明るくて人はあいかわらずたくさんいるが、
Tシャツを広げるには少し早い。
やっぱ夜8時ぐらいからが本番だぜ。
さて、ここで話は変わるが、
最近は一部のマクドナルドで携帯の充電をさせてくれることを知っているか。
熊本でこの事実に気づいて以来、
俄然マクド派と化している俺である。
これまでファーストフードなんかまったく興味なかったのにな!
ちなみに今も天神のマクドでコレを書いているわけだ。
そんなわけで、
いい時間になるまでマクドで充電待機をしようと思って前まで来たら、
飛鳥さんから、
用事が済んだがTシャツやってますか、
というメールが来た。
手早く事情を説明すると、
彼女はわざわざ俺がいる場所までやって来てくれて、
そのままマクドでの充電&待機に少し付き合ってもらうことになった。
…が。
彼女は、絵が好きなのだ。
マクドのトレーの上に宣伝の紙が1枚敷いてあるが、
彼女はその裏の白紙を使って、
俺に記念の絵を描いてくれた。
俺も従来どおりの謎イラストを描いてお返しに進呈。
そのとき俺は思った。
彼女の絵は独特でおもしろい。
どうせなら、Tシャツに何か描いてくれないだろうか。
彼女も俺のTシャツに興味はあるらしいが開店の時間までは居られないようだし、
これならついでに見せることもできる。
そう提案すると、
ありがたいことに彼女は話に乗ってくれた。
小雨の中を2人でバイクまで戻り、
手近にあった微妙に雨のかからない超狭い怪しい場所で、
飛鳥さんに俺のTシャツを見てもらう。
彼女は、意外なほど熱心に、
1枚1枚、俺のTシャツを眺める。
時折、これはキープ、と言ってTシャツを脇に置く。
何をキープしているのかと不思議に思っていたら、
なんと彼女は、
俺のTシャツを買ってくれるつもりなのだった。
ちょっと考えればわかりそうなもんだが、
その時の俺には、彼女にTシャツを売るという発想がまるでなかった。
大体、知り合いには売らないというのが今回の鉄の掟だ。
だが…彼女は、今の俺にとってどういう立場の人なんだろう…。
俺が自慢の超脳に過労までさせて考えている間に、
飛鳥さんは2枚のTシャツを選び、
「この2枚をください!」
そう言ってきた。
…2枚もかよ!!
うわああどうしよう。
ええいこれはもう特例だ!
何より俺は今、
飛鳥さんの元にこの2枚を渡したいと思うのだから、
しょうがないだろうが!
2枚で4000円。
彼女にならこの値段で充分だと直感した。
1枚目は東京の代々木公園で描いた。
机の隅に、写真じゃわからないくらい小さく、
「スキだ」
と書いてある。
2枚目は、高知で描き始めて松山の道後温泉で仕上げた。
描くのに時間はかかったが、ただの樹だ。
樹の下に何か気の利いたキャラクターでも描こうと思っていたのだが、
何も浮かばないので描かなかった。
そんな地味な絵を、
それがいいんだと言って彼女は選んでくれた。
この時の俺の嬉しさが、
果たしてわかってもらえるだろうか。
まさか、飛鳥さんがこの2枚を買ってくれる人になるなんてな…。
おっと、ここで思考停止に陥っている場合じゃないんだった!