4月22日(木)その1 アイスランドでマウンテンユニサイクル!

いろんな夢を見た…。

台湾が出てきたような気がする。
まだ何が夢で何が現実かよくわからない。
でも右ヒザに激痛を感じて動かせなくなったのは、どうやら夢だったらしい。

気温は相当低いように感じるが、
寝袋の上に毛布を巻いて寝ていたおかげで、身体は温かい。
寝袋から起き出すと、手がすぐにかじかんでしまい、痛い。

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5時半。
夜明けの直前。
こんな瞬間は、何もいらない。

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気がつくととても冷えているので、
またしても雪を集めてヌードルを作る。
ペットボトルの水は使えない。完全に凍っている。

俺の数年の北海道経験からして、気温はマイナス15度を下回っているだろう。
鼻の中がぴったりひっつくぐらいであれば、大体そんなもんだ。

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6時。
日が昇ってきた。

気温はとても低いけど、風はなく、空気は澄んでいる。
出発するとしよう。

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昨日は視界が悪くてわからなかったが、
やはり避難小屋のあたりが峠の頂上だったらしい。
これからは下り坂だ。

これは、チャンス!!



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凍てついたアイスランドの峠から今、マウンテン・ユニサイクリング。

最高。

凍結した峠道は少し滑るものの、ツルツルでもないのでそこそこ走れる。
こんな時のためのブレーキは、なぜかあまり役に立たない。

昨日あれだけ楽しくなかった峠が、今はとにかく喜ばしい。
これが山の魅力ってヤツなのかなぁと、漠然と思う。

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おやここは。
昨日探し求めてやまなかった、山越えルートとの合流地点だ。


合流地点は、標高の高い場所だった。
当初はただの平地で合流するんだろうと思い込んでいたので、そのギャップに驚く。
そして、標高もわからないしょーもない地図だけで先を予想することの危うさを痛感。

今度のアイスランド一周の旅は、リングロードと呼ばれる国道1号線を走る。
そしてその道は、おおむねアップダウンの少ない海岸線に沿って伸びているだろうから、
地形や標高などが書かれた詳細な地図は大して必要ない。

アイスランドに来る前は、ごく単純にそう思っていた。
でも、甘かった。
考えを改めないといけない。
特にこれから先のアイスランド北部は、山の中を突っ切り、しかも気温が低い。
詳細な地図が必要だ。
次の街のエギルスタズィールなら、いい地図が買えると思う。

しかしまぁとりあえず。
山越えルートではなく迂回ルートを選んだことだけは正解だった。
ここから見えるだけでも、山越えルートは雪でとんでもないことになってるぞ。
あーあぶねーあぶねー。

登りに苦労したぶん、下りは本領発揮のマウンテンユニサイクルであっという間。
そろそろ峠を越えたかなぁというところで一休みしてビスケットを食いつつ、

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パッケージをマジマジと見る。

ビスケットの原材料が、スウェーデン語とノルウェー語とデンマーク語とフィンランド語で書かれている。
スカンジナビア半島でお隣さん同士の国なのに、言葉が微妙に違う。
牛乳ひとつ取っても、ミョールクだったりメルクだったりマエルクだったりマイロクだったりするようだ。
発音が合ってるかどうかはまるで気にしていないが。
ちなみにアイスランド語ではミョルクと言ってるっぽい。

こんなのは、完全にヨソ者の俺から言わせれば、「近くなんやし一緒でええやん。」ということになる。
でもきっと当事者同士にとっては、絶対に譲れない大事なことなのだろう。

そうは言っても、彼らの言語は源流が同じ。
欧米全体を含めて、一種の方言みたいなもんだ。
その点、日本語は変わってるなぁとつくづく思う。

『牛乳』ならまだしもアジアのよその国で通じる可能性はあるが、
『ぎゅうにゅう』と書くともう、それが何を意味するのか、日本語使用者以外には絶対わからない。

だからどうと言うわけでもないのだが。
ただ、おもしろいなぁと思って。

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峠は終わったのに、いまだにダートが続いている。
今回のダートは長い…長すぎる…。
昨日からずっとダートじゃないか。
曲がりなりにも、国道1号線が!

国道1号線ぐらいは国の威信をかけて全舗装してくれと思うのは俺だけか!?
長いダートは一輪車にも乗れないしストレスもたまるし、とにかく疲れるんだよ!!

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ようやくダート終了。
今日だけで26キロ。昨日から合わせると40キロぐらいずっとダートであった。
あー疲れた。
みんなはクルマだから大して気にしないのだろうが。
一輪車で旅をする人間のことも、少しだけでいいので考えて欲しいです。

ええ。考えてくれるハズがありませんね。わかってますよ。

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あれ?
目の前に、なんかいる。それもたくさんいる。
遠くてわかりにくいけど、人じゃない。

何気なく横を向いたら、ビビった。

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大量のレインディア!!
かなり大きな群れだ。100頭ぐらいはいるかもしれない。

エゾジカを見慣れているのでレインディアは感動が薄いと以前は思ったが、
さすがにこの数には圧倒された。

こんな森もないアイスランドで、こいつらは一体何を食って生きているのだろう。
これだけ数がいるのだから、心配しなくても何かおいしいものだってあるのかも知れない。

峠の頂上から40キロ以上は進んできた。
目指すエギルスタズィールは、もう目の前。
でもそう思い始めると意外と長い。

クルマがかなり多くなって来た、ホントにもうすぐなのに。

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反対車線に標識発見。

思わず今まで来た道のりを振り返る。
下痢になったブレイズダルスヴィーク。ヴァレリオ達に会ったハプン。
苦労してたどり着いたヴィーク。そして首都レイキャヴィーク。
700キロも、我ながらよく来たわ…。

そしてついに、エギルスタズィールに到着!!

アイスランド東部で最大の街。リングロードの旅の、ほぼ半分。
ほとんど憧れすら抱いていた街に、ようやく着いた。長かった…。

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おおっ!マンションがある!しかも3つも!!

すげぇ、デカい!この街はデカい!
都会の香りがする!!

早く、早く街の中心部へ!