3人

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箱根峠の入口とおぼしき、箱根湯本までは来た。
後はここで適当に夜を明かして、明日の峠アタックに備えよう。

と、思っていたのだが。

先日渋谷で会った旅仲間の中田氏から、おもしろいメールが舞い込んで来た。
彼の友人で、俺も11年ぐらい前の日本一周の時に会ったことのあるマイケルさんが、わざわざこの箱根湯本まで俺に会いに来てくれるという。

マイケルと言ってもハードなまでに日本人の彼。
11年前、九州にある俺の父方の実家に転がり込んでいた俺と中田氏のところに長大なスケボーを持って現れ、
温泉でギリモザ画像を撮って物議を醸したり、夜中に酒がないと言ってその辺にあった養命酒を飲んだりした、楽しい人である。
日本一周旅日記の九州あたりに若かりし3人の画像があるハズだが、今はちょっと見つけられないので、リンクはまた後で。

すっかり夜になった温泉街にて、ブログを書いたり野宿ポイントを探したりしながら過ごしていると、22時、マイケルさん到着。
おぉ、スクーターで来るとは思わなかった。久しぶり!
とりあえずコンビニに移動し、ジュースとお菓子を買って、コンビニ前で話し始める。
この、日頃はまずやらない高校生かヤンキーっぽい行動パターンがたまらない。

あの頃はボンバーな髪型だったマイケルさん、今はこざっぱりしている。そういや当時は俺もロンゲだった。
もう10年以上前のことなので、正直どんな人だったか記憶はおぼろげだったのだが、話しているうちにドンドンいろんなことを思い出してきた。
初対面でもなぜかすぐ馴染んでしまう、ボソボソと、しかしクリアーに聞こえる話し方、これはマイケルさんだ。
今回の旅で、タイミングよく会えた人も、会えなかった人もいたが、通過した俺をわざわざスクーターを飛ばして追いかけて来てくれた人は、彼ぐらいだ。

なんと、中田氏が、東京から新幹線と電車を乗り継いで、箱根湯本に現れた。
自分でもよくわからない行動らしい。
熱い血が騒いだのだろう。そういうことにしとけばすべて納得可能になる。

11年前、大分県は湯平温泉で出会った3人が、ここ箱根湯本で再会だ。
みんな独身だったのに、彼らはそれぞれ結婚し、しかもそれぞれ3人ずつ子孫を繁栄させてしまっているのだった。

コンビニに養命酒は置いていない。
そもそもマイケルさんはスクーターだ。
そこで、マイケルさんからのプレゼント『マムシグロン』3本+1本オマケで乾杯。
おっ、意外と飲みやすくない?むしろ爽やかな清涼感が

うあああぁぁぁなんか熱くなってきたあああムダに…ムダに…!!

コンビニ前で話し込んだりマウンテンユニ試乗会を開催しているうちに、なんと日付が変わりそうになっている。
明日ももちろん仕事なマイケルさんは、再びスクーターで帰る。
マムシグロンのせいでムダに熱い走りにならないか、俺はそれだけが心配である。
わざわざ箱根まで会いに来てくれてありがとう。嬉しかった。

マイケルさんが去った後、じゃあ温泉に行こうと軽くおっしゃる中田氏。え?
どうもこんな時間からでは、彼はもう家に帰れないらしい。えーー?
それにしても、へー、温泉か。
確かにここは温泉街のようだが、俺は今言われるまで、ここで風呂に入るという発想がまったくなかった。
いくつか候補をみつけといた野宿ポイントで、あとは寝るだけだと思っていたのだが。

どうやら彼には、すでに検討をつけた立ち寄り湯があるらしい。
そういうことならと、粛々とついて行く俺。
箱根湯本の奥の方にあるそれは、最近オープンしたばかりのバカデカい旅館だった。
24時間立ち寄り湯OKというシステムが意味不明だったが、これは風呂だけではなく仮眠室での実質宿泊も含んでいるとわかり、なるほどと納得。

そんなわけで、思わぬ旧交を温めたあとは、想定もしなかった箱根の温泉で一泊するのであった。
箱根アタック直前のサプライズイベント、と言えようか。

彼ら2人のあふれる好意に、感謝したい。