4月17日 いろいろ経験してみる

 
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ロサンゼルスの日本人宿、『Room & Bording』を早朝から出発。
誰もいない時間に出るつもりだったが、宿のおばさんがもう起きていた。
コーヒーをご馳走になりつつ少し話す。
 
昨夜は慌ただしくてあまり話もできなかった彼女。聞いてみるといろんなことがわかる。
この宿は彼女のお母さんが長年営んできたもので、
お母さんが亡くなられたことで急遽ここを継ぐことになったのだという。
彼女自身は元々ずっと南米に住んでいた。だから英語が不得意なのだ。
引き継いだばかりのこの宿も、これからどうしようか思案中なんだとか。
来年にはもう無くなっているのかもしれない。
そう思うと、なぜか急に惜しいような気がしてくるから人間勝手なものだ。
 
なるほど、そうか。人に歴史ありなんだな。
まだ薄暗いなか、彼女に見送られて一輪車に乗る。
街中だからすぐ降りることになるだろうが、ここは乗って出ないとカッコがつかない場面だ。
それでは、アメリカ横断、行ってきます!
 
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おおっ、ついにアメリカで独り立ちか!興奮!
しかし、暑い!
 
最初に降りたところでいきなり服を一枚脱ぐ。
早朝なのにもう暑いのか。4月のロサンゼルスおそるべしだな。
 
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お、あの樹はジャカランダかな?
紫色の花が満開に咲くというジャカランダは一度は見てみたかった。
こんなところで見かけるとはなぁ。
 
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ルート66。
カリフォルニアからシカゴまでを結ぶ、古くて長大な国道の名前だ。
特にバイク好きなら知らない人はいないだろうし、いつかこの道を走ることを夢見る人も多いと思う。
 
俺はと言えば、特にこのルート66にこだわりはない。
しかしスタートがカリフォルニアで、また一輪車では高速道路を走れないという都合上、
おそらくどうしてもこの道を進まざるをえないだろう。
 
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アメリカで初マクドナルド体験。
難しそうだった注文も意外に簡単。メニューの数字を指さし、クレジットカードで決済するだけ。
後は for here(ここで食べる)とか to go(持ち帰り)とか、聞かれたら答えるだけでオッケー。
 
ここに入ったのは、店内のフリーWIFIを使ってインターネットを使いたいためだ。
海外で通常の電波が使えない以上、フリーWIFIが使える場所は貴重である。
WIFIは無事に俺のスマートフォンに繋がったが、回線スピードが遅い上によく切れるので非常に頼りない。
他の店でもこんな感じなのだろうか?それだと困るな。
まぁ使えるだけマシか。
 
ハンバーガー自体はサイズは普通。味も日本と一緒。
アメリカと言えば巨大なバーガーかと思っていたが、そうでもないんだなぁ。
ドリンクは一度買えばおかわり自由らしい。これは人力移動者としてはおかわり必至だ。
 
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今回はこんな格好で移動している。
なるべくクルマからの被視認性を高めるべく、あえてハデハデーな色を多用。
反射材もユニや手足につけまくり。
これだけやってるんだから頼むから轢かないでね。
 
旅の相棒は、Nimbus Oracle 36inch だ。
これまで旅に使ってきた24インチよりもよっぽどデカい。
このデカさがアメリカを相手にどう出るか。今のところ未知数。
俺自身がまだこの1月に買ったばかりの一輪車に乗り慣れていないので、実地で練習も兼ねているぞ。
 
ところで昨日ランスに付けてもらったヘルメット用ミラー、残念ながら使い勝手が微妙。
俺のザックの背が高いせいで、ミラーにザックが映りこんで背後が見づらいのだ。
これは計算外。でも無いよりはマシっぽいので付けたままでいこう。
 
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セブンイレブンで水を買う。
足にはこだわりのタビ。
対馬一周で懲りたはずなのにまた履いてきてしまった。
 
セブンイレブンはまさにコンビニ。
品揃えは日本とはちょっと違うが、使い勝手や雰囲気はほぼ一緒。
他にはampmやサークルKもある。
 
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ロサンゼルスの街を移動してみて。
進行は非常に遅い。車は多いし信号も多いので、一輪車で快適に進めないのだ。
さらに東に進むにつれてアップダウンも出てきた。
よって今日はほとんど歩いている。
 
アメリカの歩行者信号がまた特殊だ。
車道が青になっても歩行者信号は自動的に青にはならず、必ず歩行者用のボタンを押さねばならない。
そしてボタンを押してもすぐには青になってくれないので、
大体は車道が青、赤、青、となるのを待ってようやく進めるという感じ。
つまり、毎回マジメに待っていると非常に時間がかかるのだ。
 
ロサンゼルス規模の大都市でも、歩行者よりクルマが優先されているという設計意図を強く感じる。
これがクルマ社会ってことなんだろうな。
そもそもたくさんの人間が住んでいる街なのに、歩いている人がそんなにいないのだ。
こんなのも市街地だけと諦めるしかないだろう。
 
街中には鮨屋が異常に多い。日本よりも頻繁に見かける気がするぐらい。
走っているクルマはアメリカなのでアメ車が多いが、日本車もやはり人気があるようで嬉しい。
韓国車もシェアを伸ばしてきているようだ。頼むよ日本メーカー!
 
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別のセブンイレブンで、大きいボトルの水をみつけたので試しに買ってみる。
これで1ガロン。3.78リットル。値段は約2ドル。
暑くて水の消費が早いのでデカい水は便利だが、やっぱり4リットル弱は重いな。ズシッとくる。
こいつを担ぐのは何もない荒野を突破する時ぐらいにしたいものだ。
 
そろそろ暗くなってきたが、東西に長く100キロぐらいありそうなロサンゼルスを脱出するにはまだまだ遠い。
今日は街中のどこかで野宿場所を探すしかなさそうだ。
ロサンゼルスと一口に言ってもあまりに広大すぎるので、実際には中規模の町が集合しているイメージである。
で、その町と町の間には、少し何もない空間があったりすることを俺は発見した。
そこを狙って小さな橋の下の、誰にも見つかりそうにないところでアメリカ初野宿だ。
あまり素敵なポイントではないものの、人に見つかりさえしなければそれでよし。
断言しておくが、こういう野宿は誰にもオススメしない。
 
今日の移動は60キロ。歩きが多かったので大して進めなかった。
周囲の反応としては、たまに乗れ乗れと煽ってくるアホもいたが、
大概は「大丈夫か?」と心配してくれたり、「クール!」と声援を送ってくれたりな感じ。
ノリがいいところはいかにもアメリカっぽい。
都会という乗りづらい状況で、自分勝手に乗れ乗れと好きなことを言ってくるヤツが少ないのは助かる。
この辺はあのキューバよりも社会が洗練されているという印象だ。
 
明日にはこの異常に広いロサンゼルスを出られるだろうか。
もう都会には飽きた。
36インチのユニサイクルで思いっきり走りたいぜ。