5月24日 ハイウェイ64

  
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さあメンフィスを出よう。
酷暑の中ようやくたどり着いたこのモーテルだが、まずここを出ないことには始まらない。
ハァ、今日も暑いんだろうな。
 
テネシー州でのフリーウェイ走行は昨日ポリスから明確にNOと言われたのでキッパリと諦め、
昨夜からずっと悩んだ末に、ハイウェイ64号という下道を通って行くことにする。
 
実はルートの候補はほかにもいくつかあったが、ハイウェイ64に決めた理由は、町の多さだ。
最短距離ではなくても補給を考えると町が多いに越したことはない。
宿のWIFIで調べたらウォルマートも数軒あるぐらいだし、64号はメジャーで広い道なのだろう。
一方でメジャーな道路は交通量も多いだろうが、そこは耐えどころだ。
しばらく天気も不安定ぽいし、雨が降って逃げ場がないよりはマシだと思う。
  
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アメリカに来る前日に慌てて買った新品の安物ズボンが、もはやボロボロになってしまった。
 
36インチユニのサドルと、座り込む路肩の石なんかで破れてくるんだろうな。
このままだと穴が空くどころか大きく裂けかねない。
そうなれば縫って直すことも不可能だ。
ウォルマートあたりで適当なズボンがあったら買い換えようかな。
 
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思い切って外に出ると、やっぱり今日も暑い。当たり前に暑い。
 
昨日のうちにメンフィスの出口まで来てから泊まったつもりだったのに、
まだ案外しつこく市街地の信号が続いて思いっきりダレるも、どうにか街を脱出。
 
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たまたま入ったガソスタでは気のいい兄ちゃん2人に歓迎され、珍しくオレンジも手に入ったので当たりだ。
 
旅の間の食べ物はスナックやらサンドイッチ、ハンバーガーなどが多いので、
たまにフルーツなどを見かけると喜んで買ってしまう。
でもスーパーで特に探して買うというほどではない。果物は重いからな。
 
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苦労して街を出れば、そこには思ってもみない超幅広の路肩が!!
 
バイクルートという看板があったので、ここは自転車専用レーンということらしい。
まさかこんなに広くて綺麗な道を走れるなんて。
ハイウェイ64号を選んでよかった!
アーカンソー以降、ハイウェイにこんなに優しくされたのは初めてだ。感激。
今日も腐敗するほど暑いがこれなら進める。
頼むからこの道、できるだけ長く続いてくれ!
 
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炎天下のバイクルートを休み休み走っていたら、クルマの家族連れから声がかかる。
土曜日の行楽中かな。
とても優しそうな両親。幸せそうな家族だ。いいなー、こんな家族。
この家族には水とジュースと、そして氷をもらう。
 
長女であろう幼い女の子が、たどたどしい英語で俺に質問をしてくる。
 
「ユニサイクルはむずかしい?」
 
「うーん、ちょっと難しいけどすぐに乗れるよ。旅だってできる。でも、キミはもっと大きくなってからだね。」
 
ここでお母さん、
 
「彼はプロなのよ。特別なの。」
 
褒めてもらったような気もするが、娘の将来を案じて方向転換を計ったような気もせんではない。
 
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冷たい氷をもらったのは嬉しいがどうしたらいいかわからないので、とりあえず頭に乗せておいた。
つめてー!
 
カリフォルニアやアリゾナの砂漠も文句なく暑かったハズだが、
気温が今ほど問題にならなかったのは、おそらくあの強風のせいだったと気がつく。
今日などは無風に近く、体感気温がかなり高かった。
実際の気温も高かったのだろう。街の温度計で99F(37℃)という表示を見たもんな。
風が強すぎるとユニに乗れないし、風がなければ暑くてへばる。
困ったものだ。
 
今日はバイクルートが始まってからは調子よく進めたが、メンフィスを出るまでに時間がかかった。
よって走行70キロ。
しかし、悩んで決めたこのルート、ハイウェイ64号は正解だったと思う。
バイクルートとは粋なモノを作ってくれる。やるなテネシー。
キツい道もあればたまにはこんなイイ道もあるもんだ。 
 
誰に教わったものでもない。自分だけのアメリカ。
それを知るために、この場所に来たのだった。