元祖キヌガサタケ伝説
これといって大事件もないのだがたまには近況報告をしておくと、
近頃は健康診断やら移民局やらとちょくちょく手続き関係で外出する機会があり、
そのたびにもうちょっと英語を喋れたほうがいいよなと痛感するので、
近所のシニアセンターでやっているボランティアの英語教室というのに通い始めた。
なかなか立派な建物だ。
どこの世界でもシニア世代は金を持っているものなのだろうか。
内部もそこはかとなく豪華。
ここはシニアセンターなので、たむろしているのは悠々自適な老人ばかりなのであるが、
ここで開かれている各種のクラスは年齢に関係なく参加することができる。
ダンスとか気功とか料理とかの教室の1つとして英会話のクラスもあるのだ。
俺が通う英語のクラスは週3回あって、そのうち2回が中級で、1回が上級だと言う。
初級がなくていきなり中級かよ!とビビりながらも参加してみたところ、
その時の生徒は5人ほどの全員がスペイン語しか喋れないプエルトリコ人であり、
先生はスペイン語と英語とイタリア語とドイツ語が喋れるというホンジュラス人であり、
授業は英語とスペイン語を併用して、アルファベットの発音から始めるという超基礎的な内容であった。
拍子抜けである。
これ教室。寒い。
南国フロリダは、なんと言ってもスパニッシュ系の移民が多い。
ここには英語が喋れないスパニッシュなどザラにいる。あちこちにいる。どこにでもいる。
だから英語の教室も基本的にスパニッシュ向けなのだ。
週3回あるうちの1回は上級クラスだと書いたが、
上級クラスというのは「授業中にスペイン語は一切使いませんよ」という意味で上級なのであった。
それでいて上級クラスでも結局スペイン語は飛び交っている。
俺はこのままだとスペイン語が喋れるようになってしまいそうだ。
そんなわけで英語の授業の内容は毎回簡単なのだが、先生であるブラッドリー女史という人物が、
79歳でひ孫がいるにもかかわらずまだあと40年ぐらい英語教師をしていそうなぐらい元気がよく、
授業中でもその前後でもやたらと話しかけてくれるので、これは大変いい勉強になっている。
生徒であるプエルトリコ人のおばさま達も陽気な人々で、
授業の合間に熱心にスペイン語を教えてくれたりしてこれまたおもしろい。
生徒にプエルトリコ人が多いのは、プエルトリコがアメリカの自治領だからだろう。
今はプエルトリコの経済が不安定だから、親戚を頼って思い切って移住して来るのだと思う。
ほかには、たまにベネズエラ人やフィリピン人、
さらにはタイ人からイスラム系アイルランド人?までやって来て、なかなか賑やかで国際的である。
そのくせこの教室はボランティアのため、寄付として毎回1ドルぐらいしか払っていない。
俺にとってはとてもありがたい語学教室だ。
こっちでガソリンを入れるのにもそろそろ慣れてきた。
基本的には日本のセルフスタンドと似たような方式だが、
セルフ導入歴が長いせいか、機械が古い上にわりとボロい。
まぁアメリカに置かれている機械は大抵なんでもボロい。
そのうえクレジットカードのスキミング被害に遭う確率が日本の比ではないので、
給油の際はできるだけ店舗に近い側のポンプを使えと言われたり、
さらに注意深い人には、カードは店内の人がいるレジ以外で通すなと言われたりもする。
ちなみにそれでもカード被害に遭う時は遭うそうで、
こっちではレシートをその場でガッチリ目視で確認することは基本中の基本、なんだそうだ。
俺はボーッとしてるからそのうち何かやられることだろう。
ガソリンが安いのはいいんだがなぁ。
たぶん今リッター70円ぐらいだ。
そりゃあハイブリッドがそんなに普及しないハズである。プリウスだけはしょっちゅう見かけるけど。
ところで、アメリカでクルマと言えば左ハンドルだが、これはこっちで乗っていると非常にあっさりと慣れる。
今の俺はたぶん右ハンドル車に乗ると逆に違和感を覚えるぐらいだろう。
これは道路が右側通行なので左ハンドルのほうが自然であり、混乱しにくいからだと思う。
だからもしアメリカで右ハンドルに乗ったり、日本で左ハンドルに乗ったりすると、
何かの拍子にこんがらがって逆走したりするに違いない。
これをライダー風に説明すれば、
普通のミッションのバイクからカブに乗り換えても意外と混乱しないのに、
その間にロータリーミッションでクラッチ付きの旧ベンリィが挟まるとしばらくヤバい、という現象に似ている。
まぁ、そんなとこだ。
ほなまた。