波止場にて

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今のうちだけだろうが、雨はやんでいる。

函館のフェリーターミナルでは約2時間半置きで青森行きのフェリーを運航しているらしく、
昨夜の23時にはここに来ていた俺は、
実にもう2本の便をスルーしてしまった。
なぜならここのターミナルは施設が新しくて大変居心地がいいのでぐっすり寝ていたためだ。
それに船に乗ったら4時間後には青森に着いてしまう。
朝っぱらのしかも未明に、今日も雨だとわかっている青森に急ぎ上陸して何の意味があろうか。

思えば昨日の函館は、まったく一日中雨だった。
漫然と強弱を繰り返す雨の中、バイクと徒歩で函館の街を徘徊しまくったものの、
そもそも人間がほとんど出歩いていないこの状況では、
Tシャツのチの字をも出すことができなかったという、
まさに戦わずして敗れ去った弱い我輩なのである。
人っ子一人歩いてない雨の五稜郭周辺をバイクで無意味に一周した時のあの気持ちは俺の間脳あたりに長く刻みこまれることだろう。

無意味で思い出したが、
青函フェリーには俺が乗るつもりのフツーのフェリーのほかに、
青函を2時間という従来の半分の時間で航行する新型高速船、
その名も『ナッチャン レラ』
という珍味な名称にふさわしくアバンギャルドなフォルムをした船がいつのまにか就航していた。

4時間かかってたのが2時間でいけるのはきっと素晴らしいことだが、
そんな船が普通の船と隣り合わせで仲良く停泊しており、
さらに運賃は倍以上するらしいことを知るにつけ、
とりあえず俺的発想からすれば、乗る意味がまったくないということだけはよくわかった。
どうせなら新型一本化すればよさそうなもんだが。
まぁ、確実にどうでもいい話だ。

北海道で何の成果もなしえないまま、わたくしは本州に移動いたしますよ。

ほなまた。